2026年10月1日、予土線の高知県側で、列車と四万十交通の路線バスを組み合わせて利用できる「モーダルミックス実証実験」が始まりました。
対象となるJRのきっぷで路線バスにも乗れるほか、一部のバスが江川崎駅まで延伸されました。
列車で四万十を旅したいけれど、駅から先の移動や、次の列車までの時間が気になる。
そんな方にとって、お出かけの選択肢が増えそうな取り組みです。
もくじ
モーダルミックスって何?
「モーダルミックス」は、鉄道やバスなど、異なる交通手段を組み合わせて移動することです。
今回の実証実験では、JR四国と四万十交通が連携し、窪川駅〜江川崎駅間で、列車と路線バスを利用しやすくしています。
列車で沿線の町へ出かけ、そこからバスで次の目的地へ。
公式チラシには、そんな旅の参考になる2つのモデルコースも紹介されています。
今回、何が変わった?
一部の路線バスが江川崎駅まで延伸
四万十町のバス会社・四万十交通の「窪川駅〜道の駅とおわ線」の一部の便が、なんと隣りの四万十市にある江川崎駅まで延伸されました。
四万十町と四万十市を結ぶ移動の選択肢が増えたことは、沿線を旅する方にも、地元で暮らす方にも、うれしい変化ですね。
窪川駅〜江川崎駅を結ぶバスは、上り・下り各3便となります。
【時刻表】

対象となるJRのきっぷでバスも利用できる
対象区間のJR乗車券類を持っている方は、きっぷの有効区間に対応する路線バスを利用できます。
対象路線は、四万十交通の次の4路線です。
- 窪川駅〜江川崎線
- 窪川駅〜道の駅とおわ線
- 窪川駅〜大正駅線
- 大正駅〜道の駅とおわ線
普通乗車券のほか、定期券や特別企画乗車券、チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」の乗車券なども対象です。
利用できるバスの区間は、お持ちのJR乗車券類の有効区間に対応します。
注:海外観光客向けの「JAPAN RAIL PASS」「ALL SHIKOKU Rail Pass」など、個別のパスの取り扱いは、ここで参照した案内では確認できていません。利用を予定している方は、パスの正式名称を伝えて事前にお問い合わせください。
チラシ裏面のモデルコースが、旅の参考に!
高知県側の公式チラシの裏面には、列車とバスを組み合わせた2つのモデルコースが掲載されています。
チラシ:令和8年度JR予土線(高知県側)におけるモーダルミックス実証実験の開始について
時刻表だけでは旅のイメージをつかみにくい方も、これを見ると「こんなふうに巡れるんだ」と分かりやすいですね。
以下は、チラシ掲載の時刻に基づく紹介です。旅行前には、最新の運行情報も確認してください。

① 町並み散策と道の駅コース
窪川駅から列車で大正へ向かい、町を散策。その後、バスで道の駅を巡り、江川崎駅から再び列車に乗るコースです。
| 時刻 | 移動・楽しみ方 |
|---|---|
| 9:39 | 窪川駅からJR予土線に乗車 |
| 10:10 | 土佐大正駅に到着、大正の町を散策 |
| 10:45 | 大正駅バス停からバスに乗車 |
| 11:13 | 道の駅とおわに到着、ランチなど |
| 12:04 | 道の駅とおわからバスに乗車 |
| 12:18 | 道の駅よって西土佐に到着 |
| その後 | 江川崎駅まで徒歩約13分 |
| 13:00 | 江川崎駅から宇和島方面の列車に乗車 |
町歩きと、道の駅での食事や買い物を組み合わせられるのが魅力です。
大正での散策時間は約35分、道の駅とおわでの滞在は約51分。
食事をする場合は、注文から提供までの時間も考えておきたいですね。
よって西土佐に到着してから列車の出発までは42分です。
駅まで歩く時間を見込んで、余裕を持って移動しましょう。
② 四万十川と沈下橋コース
宇和島方面から列車で半家駅へ。中半家沈下橋周辺を歩き、その後バスで窪川へ向かうコースです。
| 時刻 | 移動・楽しみ方 |
|---|---|
| 9:34 | 宇和島駅からJR予土線に乗車 |
| 10:54 | 半家駅に到着 |
| その後 | 徒歩約15分で中半家沈下橋周辺へ、散策 |
| 散策後 | 権谷口バス停へ徒歩約10分 |
| 12:36 | 権谷口からバスに乗車 |
| 13:48 | 窪川駅に到着 |
| 13:56 | 高知方面の特急に乗り継ぐ例 |
列車の車窓から眺めていた四万十川を、今度は歩いて楽しむ旅です。
窪川駅での特急への乗り継ぎ時間は8分。バスの遅延などによって乗り継げない場合もあるため、その後の予定には余裕を持たせましょう。
JRのきっぷで「道の駅とおわ」へ行ける例も
今回の取り組みでは、JRの駅と、利用できるバス停の対応が定められています。
公式チラシには、「窪川駅→十川駅のJRきっぷで、窪川駅→道の駅とおわのバスに乗車できる」という例も掲載されています。
目的地に近いバス停を使えるのは、観光客にとってうれしいポイントです。
利用する際は、公式の「駅・バス停対応表」で、持っているきっぷと乗りたいバス停の対応を確認してください。
利用方法は?調査票への回答が必要です
鉄道からバス、バスから鉄道へ乗り継ぐ場合は、降車時にその旨を乗務員へ申し出てください。
JRのきっぷで路線バスを利用する場合は、次の流れになります。
- 利用区間に対応するJR乗車券類を用意する。
- 対応するバス停からバスに乗車する。
- 車内の調査票に必要事項を記入する。
- 降車時に、乗車券類と調査票を乗務員へ渡す。
調査票は、車内のQRコードを読み取ってスマートフォンから回答することもできます。その場合は、降車時に回答完了画面を乗務員へ提示します。
お出かけ前に確認しておきたい注意点
運行日と、帰りの便も確認を
チラシの時刻表には、日曜・祝日のみ運行する便や、別途バス運賃が必要な便も掲載されています。
利用する便の注記を確認し、往復する場合は帰りの便まで決めてから出かけましょう。
バスだけなら、バス運賃の方が安い場合も
区間によっては、JRの運賃よりバス運賃の方が安い場合があります。
バスだけを利用する予定なら、JRのきっぷを購入する前に、チラシの運賃表で比較してみてください。

窪川〜若井間のきっぷには注意
土佐くろしお鉄道の窪川〜若井間だけのきっぷは、実証実験の対象外です。
また、青春18きっぷなど、窪川〜若井間を含まない特別企画乗車券で窪川〜丸山間のバスを利用する場合は、別途、その区間のバス運賃が必要です。
きっぷの有効区間を超えて利用する場合も、乗り越し精算が必要になります。
愛媛県側でも実証実験を実施|地域のニーズに合わせた取り組み
愛媛県側でも、JR四国と宇和島自動車が連携したモーダルミックス実証実験が行われています。
こちらは通学定期券を対象とした取り組みです。
対象となるJR通学定期券でバスを利用する場合は、乗車1回につき区間内定額100円。対象のバス通学定期券で鉄道を利用する場合は、対象区間を追加料金なしで利用できます。
実施期間は、2026年8月1日〜2027年3月19日です。
高知県側とは対象や利用条件が異なります。
しまんトロッコのガイドをしていると、愛媛方面からのお客様も多くいらっしゃいます。
その一方で、予土線は地域の生徒さんの通学を支える鉄道でもあります。
愛媛県側では通学定期券を対象に、高知県側では普通乗車券なども対象にする。
制度の違いから、地域ごとの移動のニーズに合わせて工夫されていることがうかがえます。
私自身、高知県側でガイドをしていると、観光のお客様の移動手段としての役割も感じます。
今回のモデルコースは、その使い方を具体的に示してくれていますね。
愛媛方面から利用される方は、こちらの案内も参考にしてください。
高知県側の実施期間と公式案内
高知県側の実施期間は、2026年10月1日(木)〜2027年3月31日(水)の予定です。
予算の状況によって早く終了する場合や、運行内容が変更される場合があります。出発前には、公式案内で最新情報を確認してください。
▶ 予土線公式|高知県側の実証実験・チラシ・駅とバス停の対応表
列車とバスで、四万十の旅を楽しもう

列車の車窓から景色を楽しんだあと、沿線の町を歩いたり、道の駅で地元の食を味わったり。
列車とバスを組み合わせることで、四万十の旅の楽しみ方も広がりそうです。
公式チラシのモデルコースは、その具体的なヒントになりますね。
このブログで試作している「四万十お出かけ診断」にも、時刻表や徒歩移動を確認しながら、公共交通で楽しめるコースを取り入れていきたいと思います。