予土線と土佐くろしお鉄道の両線が通る、若井駅。そこから西へガタンゴトンとのどかな田園風景を見ながら進んでいくと、急に長ーいトンネル「若井トンネル」に入ります。すーっと冷たい空気がトロッコの中に入ってきて、夏の暑い日でもとても涼やかです。列車は2キロほどの長いトンネルをぐんぐんと登っていきます。
峻厳な山々と小さな信号場
前方にトンネル出口の丸い光が見えてきます。トンネルを抜けてとたんに、峻厳な山々と小さな信号場・川奥信号場が見えてきます。
ここは、黒潮町川奥というところで、踏切を横切る小さな道路は県道329号線です。黒潮町、四万十市方面への近道として、私たちもよく使う県道です。カーブの多い一車線の山道ですが、意外と利用する大型車も多く、対向車が来たらどちらかが譲ってよけ場までバックしないといけないような狭い道です。道路改良の工事も頻繁に行われています。車でこの道を利用される場合は、注意して下さいね。
ループトンネルの第1川奥トンネル
しまんトロッコにご乗車のお客様には「ここ、見せ場ですよー!」と紹介しているところがあります。
堀切の小山を過ぎると、列車の左側、ずーっと下のほう、正確には41メートル下、遠くに線路が1本見えてきます。土佐くろしお鉄道中村線の線路です。
ここで分岐するくろしお鉄道の列車は、ループトンネルの第1川奥トンネル(2031メートル)に入り、一度も外へ出ずにぐるっと回り、41メートル下の線路に出ます。その半径は350メートル、勾配率は20%。けっこうきつい坂です。昔ながらの方位磁石を手にもっていたら、その針はループトンネルの中でぐるーっと一回転します。下から登ってくる列車は、馬力が要るでしょうね。
地図で見てもらうと、若井駅。南へ向かうくろ鉄中村線のループトンネルと、西へまっすぐ向かう予土線とが確認できます。
予土線はまっすぐ西へ
左下、41メートル下のくろしお鉄道の線路を見ていただいたら、今度はすぐ右側を見て下さい。ループトンネルの入り口が真横に見えます。左向いて右向いてと、ちょっと忙しいところです(笑)
しまんトロッコ1号は、そのまま西へまっすぐに進み、再び四万十町へと入り、次の家地川駅、家地川堰堤(いえじがわえんてい))へと向かいます。