しその実の収穫時期・穂の取り方・あく抜きの方法や塩漬け・醤油漬けなど簡単レシピを紹介します。
農家のおばちゃん達が、お家でいつもやってる方法ですので、ぜひまねしてくださいね。
今年2022年は、夏の時期が暑かったせいでしょうか。例年よりも早く、しその実がなっているようですね。
しその実とは?


紫蘇(しそ)は花が咲いた後に実がつきます。これが「しその実」と呼ばれるものです。
穂紫蘇(ほしそ)ともよばれ、香りがよくカルシウムやビタミンA、鉄分などの栄養価が含まれています。
食べ方は、花穂の天ぷらからプチプチとした食感が楽しめる佃煮までいろいろあり、塩漬けや醤油漬けにすると長期保存ができるのでとても重宝です。
花穂(はなほ)

夏を過ぎると、しそは穂に花をつけ始めます。小さくて可憐な花が下から順に咲き始め、花の蜜を求めてミツ蜂がやってきます。
咲き始めの花穂は、お刺身のあしらいとして乗せるとお洒落です。この頃の茎(くき)はまだ柔らかく、香りを楽しみながらそのまま生でパクッと食べることができます。
おすすめは花穂の天ぷらです!
美味しく作るポイントは、天ぷら粉を水に溶く時に少し薄めにする事と油の温度にあります。
こちらの記事で詳しく紹介していますので参考になさってください。
しその実

花が咲き終えると、茎の部分は少しずつ固く丈夫になって伸びていきます。
穂紫蘇(ほしそ)とよばれる、しその実の時期がやってきます。
しその実をおいしく食べるには、収穫時期とあく抜き(下ごしらえ)が欠かせません。
しその実の収穫時期と、あく抜き(下ごしらえ)方法を順に紹介していきます。
収穫時期と目安
しその実は例年9月中旬から下旬、地域によっては10月中旬頃までが収穫時期です。
収穫が早すぎると実のプチプチ感が足りず、遅すぎると実が茶色になって固くなり、口の中に残ってしまいます。
タイミングをのがさないように注意してくださいね。
収穫の目安は3つあります。
- 穂先に2、3輪花が残っている
- 茎がまだ緑色のまま
- 穂の中に緑色のゴマのような実が見えている状態

茎が15センチ~20センチ位に長く伸びてくると、穂の中に緑色のゴマのような実が入っています。
ためしに緑色の穂をひとつ、茎(くき)から摘み取って食べてみてください。口の中で実がプチプチッとした食感があったら、ちょうど収穫時期です。
収穫が遅くなると実が茶色になって固くなり、口に残る感じがします。逆に早すぎると、実のプチプチ感が足りません。
目安は3つです。
- 穂先に2、3輪花が残っている
- 茎がまだ緑色のまま
- 穂の中に緑色のゴマのような実が見えている状態
うえのような状態になったら、茎(くき)ごと手で折るか、園芸用のハサミでカットして収穫します。
高知県では9月中旬から下旬頃が収穫時期ですが、地域によっては10月中旬ごろまでとれるところもあります。夏の時期がいつもより早い年は、しその実も早くつくことがあります。
県内では畑や庭先にしそを植えているお家が多く、シーズンになると道の駅や直販所で袋いっぱいに詰められたしその穂が安く売られています。私もしその穂がちょっと足らないときは直販所で買ってます。

収穫する時の注意点
紫蘇(しそ)は一年草です。種が土に落ちると次の年もしそが生えてきます。
しかし間違えて種が落ちる前に刈り取ったり穂をすべて収穫してしまうと、翌年しそが生えなくなります。私も一度、全部採ってしまい失敗したことがあります(翌年、しそが生えなかったです。笑)
お庭や畑に生えているしそは、来年のために少しは残しておいてくださいね。プランターに植える場合は固くなった種を取っておいて5月頃にまくとよいです。
穂の取り方

じょうずな穂の取り方を紹介します。
茎(くき)ごと収穫したら、軽く水洗いをして穂の部分だけを手でそぎます。
- 穂がついた茎ごと水洗いをする。
- 穂の先から下に向かって指でしごくように、穂の部分をズルーっと取る。
しそにはアントシアニンなどの色素が多く含まれています。手指に紫色の色素が付くとなかなか取れません(^^;
手袋やビニール袋を使って、色素が手に付かないようすると良いですよ。


あく抜きの方法
しその穂はそのまま食べると苦くてエグ味があります。
「この苦味が好き!」というかたもいますが、あく抜きをすることで苦みが取れ後味が良くなります。
簡単なあく抜きの方法を3つ、郷土料理の達人(近所のおばちゃん達)に教えてもらいました。
それぞれのお家のやり方で違いますが、どれも実の中に入っている土もきれいに落ち、きちんとあく抜きができます。
下の3つの中からお好きな方法でよいです。
- 鍋に沸かした熱湯と塩少々入れて、お湯にさっとくぐらせ、ザルにあげて水気をよく切る。
- 一晩水につけ、そのあと、もみ洗いをし水気を十分に切る。
- 水と塩少々入れたボール(鍋)に入れ、落とし蓋をし3時間~半日ほど漬け、水気を切る
お湯にくぐらすあく抜きの方法
今回はお湯にくぐらす方法であく抜きをしてみました。
- 鍋に湯を沸かす
- 塩をひとつまみ入れる
- 穂を鍋に入れ、さっと湯にくぐらす
- ザルにあげて水気を切る

レシピ
おうちで簡単にできるレシピを紹介します。
しその花の天ぷら

まだやわらかい花穂の頃は、天ぷらにすると家族も大喜びします。
収穫時期と衣と油の温度に気をつけてくださいね。
佃煮(つくだに)
すぐ食べられる佃煮の作り方を紹介します。
材料
【しその実の佃煮おおよその分量】
しその穂 | 30本~40本くらい |
砂糖 | 大さじ1~2(お好みで) |
醤油 | 大さじ3~4(お好みで) |
みりん | 大さじ3 |
酒 | 大さじ2 |
手順
【しその実の佃煮作り方】
- 上の材料を鍋に入れる。
- 調味料をなじませながら、さっと炒める感じでOK!
これで出来上がりです。なんて簡単なんでしょう(笑)
市販のめんつゆや、だし醤油を使ってもできます。
鷹の爪(赤唐辛子)を入れてちょっとピリ辛にしたり、生姜をみじん切りに刻んで入れると、大人味になります。
子どもには、かつお節を入れるのもいいですね。うちは、ちりめんじゃこを入れると喜んで食べます。
濃い味がお好みの人は、水気が無くなるまで煮詰めてもよいですが、プチプチ感が少なくなります。あまり煮すぎないようにしてください。
塩漬けと醤油漬け
「しその穂の佃煮が美味しくて大好き!」と言ってたら、いつも仕事でお世話になっている70代のK子さんが、「しその穂は、塩漬けにしたら保存も効いて、いつでも使えるし重宝よ~」とレシピを教えてくれました。
下準備のあく抜きは一緒です。
塩漬けと醤油漬けの作り方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。参考になさってください。
関連 しその実 塩漬け 醤油漬けの作り方、保存の効くお料理のアクセントです
味噌炒め

しその実レシピの中でも私が一番好きなのは、ほくほくの新米ご飯に合う、味噌(みそ)炒めです。もう最高です!
お豆腐やお魚のトッピングにすると晩酌のあてにもなりますよ。
あく抜きの下ごしらえは不要です。作り方はとても簡単ですので、ぜひ作ってみてください。
しその雑学
栄養

しそには鉄分も多く含まれていて、貧血の予防に効果があると言われています。また抗酸化作用のβカロチンや水分代謝を高めるカリウムも含まれています。ダイエットにもアンチエイジングにも高血圧にも良いそうです。
いいことづくめで、まるで私のためにあるようです!
子どもの時は香りがきつくて好きではなかったですが、年を重ねると食べたくなり大好きになりました。
青いしそは別名を大葉ともいい、夏の頃にどんどん成長する香味野菜です。
庭や畑など、どこにでもほったらかしで生えてきます。地生えの方が育ちやすいですが、プランターで育てることもできます。
まとめ
夏になると、私はなぜか紫蘇(しそ)の葉っぱが無性に食べたくなり、実家の庭に生えているしそを、朝に晩にと摘んでは、1日10枚から30枚くらい食べてます。
チーズを乗せてパクパク、おかずのお肉を巻いてパクパクと、お陰でこの夏は夏バテもせず、体調も良かったです。
お刺身のツマに添えるだけではもったいない!あの香りといい生命力といい、体にも美容にも良いに違いありません。
四万十川沿いのどこの畑を見ても、青紫蘇や赤紫蘇がゆさゆさと葉をつけて、暑い夏の最中でも、ぐんぐんと成長する姿を見ると、紫蘇の持つすごい生命力を感じます。
夏のしその葉と秋のしその実で季節を感じて、健康的な日々を過ごしましょうね!