あ~、今年も寒い冬が来たな~。あったかい海老のお汁を食べて身も心もあったまりたい!そう、志和のあの大きな伊勢海老が入ったお汁を食べたい、、、と思い始める時期に行われる、四万十町志和(しわ)の「志和ふるさとまつり」は、とれたての新鮮なぷりっぷりの伊勢海老の身が、お椀(わん)から今にもはみ出す勢いのワイルドな伊勢海老汁が大人気。売り切れごめんの、海の幸・山の幸がいっぱいのお祭りです。
その様子は、四万十町の観光動画でも、2分30秒のあたりで志和のふるさと祭りが紹介されています。
海の見えるまち、志和
四万十町志和地区は、太平洋の海に面した、人口300人弱の小さな小さな地域です。くねくねとした細ーい県道326号を降りて行くと、眼下に青い太平洋の海と、こじんまりとした地域に寄り添うように建つ家々が見えてきます。
私はいつも志和にくると、ジブリ映画「魔女の宅急便」の挿入曲、ヴァイオリンの美しい音色の「海の見える街」っていう曲が、聞こえてる気がして、あの曲を鼻歌でハミングしたくなります。パン屋さんはないけど、おそのさんが出てきて、「あら~!遅かったじゃない、早くしないと美味しい伊勢海老のお汁が売り切れちゃうよ!」って声が聞こえてきそうな、そんな元気で気のいいご婦人が多いところです。
「志和ふるさと祭り」の詳細
2016年「志和ふるさと祭り」の詳細です。
開催日:平成28年11月27日(日) (雨天決行)
時間:午前10時より午後3時頃まで
会場:四万十町志和港周辺 高知県高岡郡四万十町志和
出店:
志和ふるさとまつり実行委員会おなごし (天ぷら、すし、海老汁、など)志和漁協青年部 (志和の伊勢海老・魚介類の販売、刺し身コーナー(買った魚を刺身にします))志和若衆組 (四万十ポーク(志和産)串焼き) 東又小学生コーナー (焼きそば等軽食) フレンズ (喫茶コーナー、志和産レモン・花の苗・農作物・四万十ポークの販売 など)
楽しい催し:
★クルージング 大人:200円、 子ども:100円 終日(雨天中止)
★餅投げ(お楽しみ券付) 13:50頃~(天候により変更の場合あり)
★ 浜辺で浜焼きコーナー(雨天中止)、 浜焼きBBQセット
駐車場:会場周辺、志和港周辺、志和小学校跡地
主催・問い合わせ先:志和ふるさとまつり実行委員会
TEL:0880-24-0203
【アクセス】
四万十町志和へは、JR窪川駅から車で35分。四万十町中央インターからも同じくらい、車で35分。
志和で獲れる昆布入りすり身のてんぷらと伊勢えび汁は毎回長蛇の列となる人気の一品です。その日の朝、志和に上がった獲れたての食材を、そのまま浜辺で焼いて食べることもできます。贅沢すぎです!県外からもわざわざ「この祭りだけは、毎年来とるよ」というリピーターもいます。
このお祭り、実は2012年までは「志和こんぶまつり」という名称でした。ですが、温暖化による変化なのでしょうか、志和特産の昆布が年々減り続けてきたそうです。真面目で実直な志和の漁師さんたちは、昆布のできる豊かな志和の海を維持するために、海の清掃など地道な努力を続けています。お祭りの名称も「ふるさとお祭り」と変え、地域のにぎわいと海の恵みを大切にされています。
志和の魅力と思い出
私は志和の伊勢海老には個人的に特別な思い出があります。伊勢海老って、お祝いごとにお料理に使われますよね。高知では、皿鉢(さわち)料理によく盛り込みます。
もう20年以上も前のことですけど、結婚式を私達は家でこじんまりと行いました。その時、志和で商店をしているNさんに、たくさんの伊勢海老を「お祝い事だからいいよー。」と、とても安く分けてもらいました。とれとれの生きのいい大きな伊勢海老を、魚屋をしていた父がさばき、透明のその身を刺身にして、船の形をした大きな器に盛り込んだり、伊勢海老のお汁にしたりと、それはそれはとても美味しかったなー。
伊勢海老は鎧のような形をしていて、その姿はまさに勇ましく華やか。曲がった腰と長いヒゲは、長寿の象徴でもあり、結婚式でも腰が曲がるまで仲良くという意味もあります。また、海老は脱皮を繰り返すことから、成長そして新しく生まれ変わるという意味合いもあります。熱湯で湯がくとあっという間に真っ赤になりますが、赤と白はおめでたい色ですから、日本のお祝い事には欠かせない物となったようです。きれいな海でとれる伊勢海老は、日本の宝ですね。
志和地域もほかの地域と同様、年々人口が減少し少子高齢化が進んでいます。保育所が閉園そして数年前には小学校も休校となりました。時の流れとはいえ、その寂しい状況の中でも、故郷に帰って来る子どもたちのために、地域のつながりや良さを伝える心意気が込められたこのお祭りを、いつまでも応援したいなーと思います。
高台にある「志和薬師寺」は、1335年(建武2年)に建てられたお寺です。ここは、初代土佐藩主の山内一豊公が巡視の際に、立ち寄ったとされる謂れのある格式高いお寺です。地元の人に愛される、趣きのあるお寺の散策もおすすめです。