四万十町の十川(とおかわ)で、40年以上行われている、こいのぼりの川渡しをご紹介します。
例年、4月中旬から5月中旬の約1ケ月間、四万十川の上空を勇壮に泳ぐ約500匹のこいのぼり達を見ることができるのですが、
残念ながら、今年2020年は急きょ、4月19日に撤去となりました。
新型コロナウィルスの影響で、恒例のお祭りイベントなども中止になっています。
こいのぼりの川渡しは、来年も開催される予定です。
その時を楽しみしていただけるよう、下記にご紹介します。
まずは、地元四万十ケーブルテレビのスタッフさんが、ドローンで撮影した動画をご覧ください。
もくじ
場所は、四万十町十川(とおかわ)にある、こいのぼり公園です。
国道から川のほうへ坂を下ると、広い駐車場があります。
国道脇には町管理の公衆トイレもありますから安心です。
対岸の山と公園の往復1.3キロをワイヤでつなぎ、500匹のこいのぼりを渡しています。
今年も地元の有志の皆さんがこいのぼりをあげる作業を、4月11日に行いました。
いつも大変な作業をありがとうございます。
期 間 | 2020年4月12日~※急きょ、今年は4月18日までとなりました |
場 所 | 高知県高岡郡四万十町十川21番地2 こいのぼり公園 |
車でのアクセス | 高知自動車道 四万十町中央ICを降り国道381号を西へ、車で約50分 |
鉄道のアクセス | JR予土線 十川(とおかわ)駅下車、徒歩約5分 |
【地図】
☆高知方面から車で来る場合
高知自動車道を西へ
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四万十町中央インターを降りる
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国道381号線を車で西へ50分
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四万十町十川(とうかわ)
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四万十町こいのぼり公園
※下に降りて行くと広場と駐車場あり
☆鉄道で来る場合
高知方面からJR土讃線・窪川駅で下車
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予土線に乗り換え十川(とおかわ)駅下車
↓
国道381号線を東へ(国道に出て左側)
600メートル、徒歩5分
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こいのぼり公園
※注意
予土線は本数が少ないので、列車の時間は要チェックです!
地元おすすめの撮影スポットが3つあります。
今年は撮影できなくなりましたが、ぜひ来年以降においでください。
こいのぼり公園からは下から見るこいのぼりが、ゆとりの森にある展望台からは上から見るこいのぼりが楽しめます。
「こいのぼり公園」では、真下からこいのぼりが見られます。
しっぽに触れるくら近いです。
うちの子ども達も、こいのぼりのしっぽに触ろうと、ちっちゃな体でジャンプして遊んでました。
ゆったりひなたぼっこしたり、お弁当を持って行って食べるのもいいですね。
私もこいのぼり公園から見る様子と展望台からの様子を、スマホで撮影してみました。(1分)
展望台からの眺め
川向こうの山には「ゆとりの森・展望台」があり、こいのぼりを渡す太いワイヤを固定している場所があります。
この時期だけ、展望台まで車で行けます。
展望台からは、春色の山々と四万十川を背景に、ずらーっと泳ぐこいのぼりを一望できます。
私も大好きな場所です。ホント、気持ちがいいです。
以前、展望台に登った時、ガサガサっと音がしたかと思うと、ムササビがさーっとワイヤの上を走り渡って行くのが見えました。
私もびっくりしましたが、ムササビも驚いてあわてて逃げたのでしょうね(笑)
【ゆとりの森・展望台の場所】
こいのぼり公園の対岸にある展望台へ登る道は、せまい林道です。
普段、山道の運転に慣れている私でも、ちょっとコワい道です(^^;
対向車が来てもよけ場は無いです!
じゅうぶん、気をつけて下さい。
細い林道ですので、山道の運転に慣れて無いかたにはおすすめしません。
おかみさん市「十和の台所」のお店に、展望台への地図が貼ってあります。
おかみさん市「十和の台所」店先に貼ってある展望台の地図
【おかみさん市から展望台までGoogle map】
予土線の列車から見るこいのぼりも絶景です。
キラキラ光る四万十川と、500匹のこいのぼり。
尻尾をなびかせて泳ぐ姿が、列車から見えはじめ、列車が近づきトンネルを超えたとたん、こいのぼりの真横を通過します。
その様子は勇壮で迫力があって、「オ~!!」とうなってしまいます。
十川駅で下車すると、こいのぼり公園までは徒歩5分です。
西風が吹くと晴れ、東風なら明日は雨。
四万十川の風を受けて、気持ちよく泳ぐこいのぼりは、明日の天気を教えてくれる地元ではよく当たる天気予報です。
西風が吹き、こいのぼりの頭が下流へ下るように西を向いている時は、明日は晴れ。
反対に、東風が吹き、こいのぼりの頭がまるで川を上るようになびく時は、明日のお天気は雨です。
西風は晴れ、東風(こちかぜ)は雨と、地元では天気予報代わりになっています。
こいのぼりがお天気予報になるなんて便利ですねー(^-^)
私もこいのぼりの向きを見て、「明日は、せんたく物が乾きそうだな・・」と参考にしています。
ところでこいのぼりが目刺し状態の、無風のときはどうかって?
うーん、それは私もナゾです。
四万十川鯉のぼりの川渡し発祥の地 記念の石碑
ここ十川(とおかわ)は、全国でも初めて始まったこいのぼりの川渡しの発祥の地です。
今では全国あちらこちらで、こいのぼりの川渡しが行われていますね。
十川のこいのぼりは、遠くアメリカのナイアガラ川でも揚げられたことがあります。
以前、旧十和村(とおわそん)で、英語指導助手をしていたアメリカ人男性が、「ぜひアメリカでもこいのぼりを揚げてもらいたい!」と願い、「よっしゃー!」と有志が飛行機でアメリカへ飛び、こいのぼりを泳がせました。
こいのぼりの習慣のない、勝手のちがう場所で、とても苦労されたそうですが、見事に揚げることができたそうです。
かぞえ年の7歳になると「立て上げ」といって、それを最後におうちでこいのぼりを揚げることがなくなります。
だけど、大空を泳ぐこいのぼりって、子供にとっては、1年に1度の楽しみです。
おうちで揚げなくなったこいのぼりを、子どもたちのスポーツ指導をしていた地域の体育会のおじさんたちが、「よっしゃ、こいのぼりを俺らがあげちゃらーよ」と始まり、それが町おこしの一環として毎年行われ、とうとう四万十川を挟んであっちの山からこっちの山へと渡すほどになりました。
4月中旬の日曜日、体育会の人たちや地域のボランティアさんが早朝から集まり、あっちの山と国道とに分かれ、こいのぼりを太いワイヤーロープに一つづつ付けていきます。
スポーツ少年団の子どもたちが手伝うこともあります。こうして、次の世代が受け継いでいきます。
数年前まではラジコンの小さなセスナを使ってロープを渡していましたが、今は、マルチコプタードローンで、対岸へ細いロープを渡します。
次に太いロープ、だんだんと強いものへと変えながら、最終的に2本のワイヤを渡します。
ワイヤーは、上と下の2本に見えますが、1本のワイヤーをエンドレスにして、往復させています。
対岸の展望台の下に滑車が1つ、おかみさん市と駐車場のあいだに滑車が1つ、そして、予土線が走るトンネル近くの山に滑車が1つと、計3つの滑車にワイヤーが通っています。
長く見える上のほうのワイヤーに鯉のぼりが300匹、下のほうのワイヤーに200匹ほどのこいのぼりが渡されています。
おかみさん市の横にある、こいのぼりの滑車
四万十町の十川(とおかわ)から全国へと広がった、こいのぼりの川渡し。
とても素晴らしいことなのですが、最近、困っていることがあります。
以前は、「うちの子も成人式を終え、もう使わなくなったから、ぜひ四万十川で揚げて下さい」とお手紙を添えて、たくさんの思い出のこいのぼりが送られてきていました。
最近は、こいのぼりの数が足りなくなっていて、毎年500を確保するのが困難になっているそうです。
住宅事情のため大きなこいのぼりを揚げることも少なくなってきました。
また、ほかの地域でも、こいのぼりの川渡しを観光に取り入れ始めているため、寄付していただける数が減ってきているのが現状です。
もし、もう使わなくなったけど、四万十川にこいのぼりを泳がしたいなと寄付して下さる方がいらっしゃっいましたら、お祭りを主催している、こいのぼり交流の集い実行委員会(十和地域振興局 ☎0880-28-5111)まで連絡してあげて下さい。
よろしくお願いします。
求む!こいのぼり達、です!