鮎料理といえば、まず思い浮かぶのは塩焼きかもしれません。
四万十川沿いでも、鮎の塩焼きは人気のある食べ方です。
でも、鮎には塩焼き以外にも、いろいろな楽しみ方があります。
小さめの鮎は唐揚げに。
保存したい時は、一夜干しや甘露煮に。
ご飯と一緒に炊けば、鮎飯にもなります。
そして、鮎好きの人の間で珍味として知られているのが、鮎の内臓で作る塩辛「うるか」です。
「鮎の内臓を食べるの?」と驚く方もいるかもしれません。
でも、昔から鮎の内臓は、塩焼きの苦みや香りを楽しむ部分でもありました。
その内臓を塩漬けにして熟成させたものが、うるかです。
今回は、四万十の鮎文化のひとつとして、鮎のうるかについて紹介します。
※この記事では、地元で聞いた昔ながらのうるか作りを、食文化の紹介としてまとめています。魚の内臓を使う食品は、鮮度管理や衛生管理がとても重要です。家庭で作る場合は十分注意し、不安がある場合は市販品や専門店の商品を選ぶことをおすすめします。
この記事でわかること
・鮎のうるかとは何か
・うるかが珍味といわれる理由
・鮎のどの部分を使うのか
・昔ながらのうるか作り
・家庭で作る場合に注意したいこと
・うるかの食べ方
・四万十の鮎文化との関係
もくじ
うるかとは鮎の内臓で作る塩辛のこと
うるかとは、鮎の内臓を塩漬けにして熟成させた塩辛のような珍味です。
新鮮な鮎の内臓を使い、塩を加えて寝かせて作られます。
味はかなり個性的です。
塩気があり、鮎の内臓らしい苦みや香りもあります。
好き嫌いは分かれると思いますが、好きな人にとってはたまらない味。
まさに酒の肴ですね。
鮎の塩焼きでも、内臓の苦みが好きな人と苦手な人がいます。
うるかは、その「鮎の内臓の味」をさらに濃くしたような、通好みの食べ物です。
鮎のうるかが珍味といわれる理由
うるかが珍味といわれる理由は、いくつかあります。
まず、材料に鮎の内臓を使うこと。
鮎は小さな魚なので、たくさん作ろうと思っても、内臓の量はそれほど多くありません。
さらに、新鮮な鮎でないと作りにくく、下処理にも手間がかかります。
塩をしてすぐ食べるものではなく、時間をかけて熟成させるところも、普通のおかずとは違います。
昔は、鮎がよく獲れる地域で、保存食や酒の肴として重宝されていたそうです。
ただ、手間がかかるため、今では家庭で作る人は少なくなっているようです。
「昔はあったけれど、最近はあまり見なくなった」
と近所のおばちゃん達も言います。
そんな食べ物だからこそ、よけいに食べてみたくなるのかもしれませんね。
鮎のうるかにはどの部分を使う?
うるかには、主に鮎の内臓を使います。
初夏の鮎では、内臓を使うことが多いそうです。
秋の鮎になると、白子や卵を使って作ることもあると聞きました。
鮎は季節によって味わいが変わる魚です。
若い鮎には若い鮎の香りがあり、秋の鮎にはまた違った深みがあります。
うるかも、使う時期や部位によって、風味が変わるのでしょうね。
こうした季節ごとの違いを楽しむところにも、鮎文化の奥深さを感じます。
昔ながらの鮎のうるか作り
地元で聞いた、昔ながらのうるか作りでは、とにかく新鮮な鮎を使うことが大切だそうです。
鮎をすぐに使うのではなく、砂を吐かせるために、きれいな水の中で一晩泳がせることもあると聞きました。
そのあと、鮎を洗い、内臓を取り出します。
身を使う場合は、頭や骨、ヒレなどを取り除き、細かく刻みます。
刻んだ身と内臓を合わせ、塩を加えて瓶などに入れます。
しばらくの間は、毎日混ぜながら熟成させるそうです。
食べられるようになるまでには数か月。
しっかり熟成するには、さらに長い時間がかかるといいます。
手間も時間もかかる食べ物ですね。
だからこそ、昔は貴重な珍味として大切にされていたのだと思います。
家庭で作る場合は鮮度と衛生管理に注意
うるかは、鮎の内臓を使う食品です。
そのため、家庭で作る場合は、鮮度や衛生管理に十分注意が必要です。
魚の内臓には、食中毒のリスクがある場合もあります。
「塩漬けにすれば何でも安全」というわけではありません。
昔ながらの食文化としては興味深いものですが、家庭で気軽に作るレシピとして紹介するには注意が必要です。
不安がある場合は、自分で作るよりも、信頼できるお店や専門店の商品を選ぶ方が安心です。
市販の鮎のうるかを選ぶのも安心
家庭で作るのが不安な場合は、市販の鮎のうるかを選ぶのも一つの方法です。
地元の商品であれば、四万十の鮎文化を知るきっかけにもなります。
少量の商品なら、初めての方でも試しやすいですね。
この記事では、作り方をすすめるというより、四万十に伝わる鮎の食文化として、うるかを紹介しています。
うるかの食べ方
うるかは、たくさん食べるものではありません。
少量を少しずつ味わう珍味です。
塩気が強く、鮎の内臓独特の苦みや香りもあるので、お酒の肴に向いています。
あたたかいご飯に少しのせても、好きな人にはたまらない味かもしれません。
また、地元の方からは、ナスの炒めものに少し合わせるとおいしいと聞きました。
夏野菜のナスと、鮎のうるか。
想像しただけで、かなり大人の味ですね。
こういう食べ方は、地元の食卓から生まれた知恵だと思います。
四万十の鮎文化と、今では珍しくなった味
四万十川と鮎は、とても関わりの深い存在です。
塩焼き、甘露煮、鮎飯、一夜干し。
そして、うるか。
鮎という魚を、できるだけ大切に味わってきた食文化があったのだと思います。
特にうるかは、今ではあまり家庭で作られなくなった珍味です。
手間がかかり、鮮度管理も難しく、誰でも気軽に作れるものではありません。
でも、だからこそ「こういう食べ方があった」と知ることには意味があります。
鮎の内臓の苦みや香りまで味わう。
それは、川の恵みを余すところなくいただく、昔ながらの知恵なのかもしれません。
鮎の内臓が食べられるか気になる方へ
鮎の内臓は、塩焼きで一緒に食べる人もいます。
一方で、苦みが苦手な人や、食べ慣れていない人もいます。
「鮎の内臓は食べられるの?」
「なぜ苦いの?」
「食べる時に注意することは?」
という疑問については、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶ 鮎の内臓(はらわた)は食べられる?苦い理由とうるかについて解説
四万十の鮎をもっと楽しむ関連記事
四万十川の鮎や、鮎料理についてはこちらの記事も参考にしてください。
▶ 四万十川の鮎の塩焼き完全ガイド|きれいな食べ方・天然鮎の店・イベントまとめ
四万十川の鮎の食べ方や楽しみ方を知ると、塩焼き一つでも見方が変わります。
うるかは、今では珍しくなった味かもしれません。
でも、四万十の鮎文化を知るうえでは、とても興味深い食べ物です。