「鮎の内臓(はらわた)部分は食べられますか?」とよく聞かれます。
四万十川の天然鮎はとても美味しく、もちろん内臓も食べることができます。
生でなく塩焼きや鮎飯など火を通して食べる、または内臓(はらわた)で作る”うるか”という塩漬けで食べます。
しかし鮎の内臓はにがくて食べられないという人もいます。
逆にこれを食べないと鮎を食べた気がしないと言うほど大好きな人もいるので、内臓を食べる食べないは人それぞれの好みになります。
ちなみに私は食べる派です。
じっくり焼いた鮎の塩焼きは、がぶっと食べたとたん、鮎独特の甘さとにがさと香ばしさが口いっぱいに広がり、お酒にもあうんですよね。
一般的に魚の内臓(卵以外は)食べられませんが、天然鮎が食べているものは川の中の苔(こけ)、つまり藻類(もるい)なので人が食べても大丈夫なんです。
頭と骨、ひれを取りのぞいたあと内臓もふくんだ身だけをがぶっと食べるナイスな方法もありますのでご紹介しますね。
天然鮎はコケを食む
天然の鮎は川底の石につく天然苔(こけ)を食(は)んで、大きくなります。
英語では、鮎のことを”Sweet Fish””(甘い魚)といい、鮎は独特の甘い香りがします。
キュウリや西瓜に似たにおいです。
生育する川が鮎の味を決めるといえます。きれいな川にすむ鮎だからこそ内臓も食べることができます。
鮎の生態
鮎の生態はとても不思議です。
四万十川中流域の鮎の一生は、秋から冬の産卵からはじまります。
鮎は下流の小さな砂利があるところで産卵します。
卵から孵った稚魚はいったん海へと下り、しばらく動物性プランクトンを食べて大きくなります。
春4月から5月になると、少し大きくなった鮎は川を遡上しはじめます。
川底の石についた苔を食むため、石には食み跡(はみあと)が付きます。
漁師さんは食み跡(はみあと)から鮎漁が大漁かどうかがわかるそうです。
鮎は産卵のために河口へ下り始めるまで、苔(こけ)を食み成長し続けます。
産卵するために河口へ下る時、鮎は群れを成しています。
200から300ほどの鮎の魚群は、川一帯を真っ黒にします。
そして、時々、ピチャッピッチャッと音を立てて、川面をはね、ゆっくりゆっくりと下ります。
その様子は壮観です。
鮎は一年魚、わずか1年の命の魚です。
たまに下ることなく川に留まり越冬して一年を超える鮎もいるようですが、痩せて色が黒く変わるのですぐに分かるそうです。
鮎は縄張り意識が強く、自分のエサ場にほかの鮎が来るのを嫌がります。
体当たりをしてほかの鮎を追い払おうとしますが、その習性を利用した「友釣り」「友かけ」という漁法です。
定番の鮎の塩焼き
おうちで鮎料理をするなら塩焼きが定番です。
フライパンやグリルで焼き上げる鮎の塩焼きレシピをこちらで紹介しています。
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内臓をいっしょに食べる方法
塩焼きの鮎を頭とヒレを取りのぞき、内臓も一緒に上手に食べる方法があります。
お箸を使って身を柔らかくして骨をじょうずに取りのぞく方法です。
身だけがぶっと食べられるとっておきの方法です。
鮎の塩焼きだけではなく実はいろいろなレシピがあります。
なかでも内臓だけでつくる「うるか」という珍しい料理があります。