四万十川沿いに、ふきのとうが顔を出しはじめると、「ああ、春がきたな」と感じます。
山の空気はまだ少し冷たくても、足元には小さな春の芽。
ふきのとう、タラの芽、わらび、いたどり、ぜんまい――。
四万十の春は、山菜と一緒にやってきます。
高知のおばちゃん達は昔から、「春は苦みを取れ」と言います。
冬から春へと移行する時期に、春山菜を食すことで、人は眠っていた体の調子を自然に整えていくのですね。
山菜のほろ苦さや香りで、目覚めさせるような感覚です。
採れたての春の山菜は、やはり天ぷらが一番です。
今回は、四万十の春を感じる「ふきのとう」と「タラの芽」の天ぷらをご紹介します。

もくじ
ふきのとうの天ぷらは春の香り
まだ寒さが残る2月から3月ごろ。
日の当たる斜面から、にょきっと顔を出すのが「ふきのとう」です。
春を告げる山菜として親しまれ、四万十川沿いでも毎年楽しみにしている人がたくさんいます。
ふきのとうの魅力は、なんといっても独特のほろ苦さ。
この苦みが、「春の味」なんですよね。
地元では、採れたてを天ぷらにすることが多く、揚げた瞬間に広がる香りがたまりません。
ふきのとうの天ぷらの作り方
【材料】2人分
・ふきのとう 5〜6個
・薄力粉(下粉用) 大さじ2
・天ぷら粉(または小麦粉) 適量
・冷水 適量
・揚げ油 適量
【作り方】
①ふきのとうはよく洗い、外側の汚れた部分や根元の固い部分を取り除きます。
②つぼみを少し開き、水気をしっかり拭き取ります。
③薄力粉をうすくまぶします。
④冷水で溶いた天ぷら粉にくぐらせ、170℃くらいの油でカラッと揚げます。
※衣は冷水で作ると、サクッと仕上がります。
【食べ方】
・塩を軽くつける
・天つゆ+大根おろし
シンプルですが、これが一番おいしい食べ方です。
ふきのとうの香りと苦みが、口いっぱいに広がります。
花が開いたふきのとうは「ふき味噌」がおすすめ
少し成長して花が開いたふきのとうは、天ぷらより「ふき味噌」にするのがおすすめです。
あたたかいご飯にのせると、本当に箸が止まりません。
【簡単ふき味噌】
①ふきのとうを細かく刻む
②油で香ばしく炒める
③味噌を加えて弱火で炒める
これだけです。
少し苦みがあるので、大人になるほど好きになる味かもしれませんね。
桜が咲くころに出てくる「タラの芽」

春の日差しが暖かくなり、桜が咲きはじめるころ。
山では、タラの芽が顔を出します。
タラの芽は「山菜の王様」と呼ばれる人気の山菜です。
天然ものには独特の苦みと香りがあり、天ぷらにすると格別です。
四万十でも、春になると「今年もタラの芽を食べたいね」という声をよく聞きます。
タラの芽の天ぷらの作り方
【材料】2人分
・タラの芽 6個くらい
・天ぷら粉(または小麦粉) 100g
・冷水 1カップ
・氷 1〜2個
・酒 30cc
・揚げ油 適量
【作り方】
①タラの芽の根元の固い部分を切り、トゲを包丁で軽くこそげ取ります。
②根元に十文字の切り込みを入れます。
③冷水・酒・天ぷら粉を軽く混ぜて衣を作ります。
※材料を冷やしておくと、カラッと揚がります。
④タラの芽を衣につけ、170〜180℃の油で揚げます。
まず根元を下にして10秒ほど揚げ、その後全体を揚げると火が通りやすいです。
【食べ方】
タラの芽も、塩で食べるのが定番。
ほろ苦さと香ばしさが引き立ちます。
天然のタラの芽は、山の斜面や道ばたで見つけることがあります。
ただ、枝には鋭いトゲがあり、採るのも意外と大変。
それでも、春になると毎年食べたくなる味です。
四万十の春は、山菜と一緒にやってくる
四万十川沿いでは、これからわらびやいたどり、たけのこなど、春の味覚が次々と旬を迎えます。
子どものころは苦手だった苦みも、大人になると不思議と「春の味」に感じます。
自然の中で育った山菜を、季節を感じながらいただく。
そんな四万十の春の食文化を、ぜひ味わってみてください。
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