山菜の種類が多い春。四万十川沿いも、この時期は山菜採りでにぎわいます。市場やお店には、ふきのとう、タラの芽、イタドリ、わらび、たけのこなどが、旬の順に次から次へとあらわれて、見ているだけでも楽しい季節。春の山菜は、名前も楽しいですね。四万十川沿で採れる山菜のレシピや、山菜につきものの下処理の方法なども、ご紹介したいと思います。
春一番の山菜は?
寒い冬がやっと終わりかけた頃、春の訪れを感じさせてくれるのが、ふきのとうです。ふきのとうが大きくなると、フキになります。沖縄から北海道まで全国で採れる山菜で、アイヌ語でフキのことを、「コロコニ」「コルコニ」と言うそうですね。フキの葉っぱの下に住む妖精の「コロボックル」のコロはフキのことを指すようです。たしかに、コロボックルがちょこんと居そうな、そんな素敵な山菜です。
ふきのとうは、春の早い時期、葉よりも先に芽を出す花の部分で、これを蕗の薹(フキノトウ)と呼びます。独特のほろ苦さと、香り高い風味がが特徴で、よく天ぷらにして食べます。ちょっと、花が開いて大きくなってしまったら、炒ってふき味噌にすると、めっちゃ美味しいです!
同じく、春先にできる、タラの芽(楤芽)も天ぷらにすると、下処理なしで食べられます。ふきのとうと、タラの芽の天ぷらや、ふき味噌レシピの紹介はこちらです。
山菜 天ぷらの種類とコツ、ふきのとう、タラの芽は栄養満点、春の味
イタドリ大好きでよく食べるのは高知県民だけですか??」
イタドリは、漢字では「虎杖」「痛取」と書きます。茎の中は空洞で、竹のような構造をしています。イタドリは薬草で、利尿や生理不順に効果があるとされています。若芽を揉んで傷口に貼りつけると痛みが取れることから、痛取=イタドリとなったようです。中国では「虎杖」と書き、漢方では虎杖根(こじょうこん)という生薬になります。
イタドリはタデ科の多年性の植物。そう、タデです。「蓼(たで)食う虫も好きずき」なんて言いますが、蓼(たで)科の植物は苦くて、そのままではお世辞にも美味しいとは言えません。でも、このイタドリ、昔から高知県では人気者です。手で折る時の、「ポンッ!」という小気味よい音から、「イタンポ」「スカンポ」とも呼ばれ、子どもたちの遊び心をしっかりとつかんでいます。
とても生命力が強く山だけでなく、道路わきのコンクリートや荒地など、あらゆる場所に繁殖し、肥沃な土地では高さ2メートルほどになります。イギリスでは、19世紀に観賞用として輸入されたものの、その旺盛な繁殖力から外来種となり、コンクリートやアスファルトを突き破るなど深刻な被害が出ているそうです。イタドリは世界の侵略的外来種ワースト100になっているのです。びっくりですよね。
高知県では、イタドリが出たら、我れ先に採りに行き、下処理して食べちゃいます。これだけ毎年、採られるのに翌年もたくさん出てくるので、それだけ強い生命力なんでしょうね。高知県の郷土料理になっているイタドリ。コリコリとした歯ごたえが特徴です。イタドリを美味しく食べるための下処理や保存法をご紹介します。
イタドリのレシピと保存の方法、春の山菜いたどりはあく抜きでごちそうに変身!
イタドリ レシピ 簡単な下処理でおいしく食べるコツを聞きました
お次は、山菜わらびの登場
春の山菜は、まだまだとまりません!日当たりの良い酸性の土壌に、山菜のわらびが出てきます。シダ科の植物、蕨(わらび)。まだ葉の開いてない若芽を採ります。わらびの根茎から出るドローッとしたデンプンは、「ワラビ粉」になります。
わらびは毒性があるので、生のままでは食用にできません。
下処理で熱湯(特に木灰、重曹を含む熱湯)を使ったあく抜きや塩漬けによって、無毒化します。わらびご飯や、砂糖醤油で煮つけたら美味しいですよね。ただし、一度に大量のわらびを摂取せず、副食程度に食べましょう。わらびは、アクの強い山菜なので、その下処理が欠かせません。テレビでも紹介されいた、短時間で簡単にできる、わらびの下処理の方法をご紹介します。