高知 よさこい 祭りとは?ずばり、地域おこしの原点です

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観光

今年で63回目となる高知の夏の祭典「よさこい祭り」

今年2016年は、205チーム約1万8千人の踊り子が参加しました。真夏の太陽の下、時にクールでかっこよく、底抜けに元気よく、ほんとに皆いい顔で高知市内の競演場・演舞場を乱舞してました。受賞チームの踊りも素晴らしいですが、どのチームも特徴があり、見ていてとても気持ち良く元気になります。

2016年の受賞チームはこちらです。
高知 よさこい祭り日程 2016、受賞チーム決定!

ちょうどリオでオリンピックが開催されたばかりですが、高知のよさこい祭りは、日本のリオのカーニバルに負けず劣らず、熱く情熱的。そして、期間中、高知の市内は人、人、人でいっぱいです。毎年100万人の観光客がこの時期、高知を訪れ、今では4年後の「東京オリンピックでよさこい踊りを!」という声もあるくらいです。踊る人、見る人を虜(とりこ)にする、高知のよさこい祭りの魅力ってなんだろう?と改めて思いました。

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よさこい祭りの淵源

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よさこい祭りの淵源は、高知市の商工会議所が、終戦後の不況を吹き飛ばそうと1954年(昭和29年)に企画し始まりました。今でいう地域おこし、不況を吹き飛ばしてみんなに元気になってもらおうと始まった、経済復興のための手作りのイベントです。特に、夏のお盆の時期は帰省の人も観光の人も多くにぎわう時期です。やっぱり、原点の思いがあるからこそ、高知市民や県民はもとより、全国の人を魅了し支えられるお祭りに発展していったのでしょう。
 
お隣の徳島県には、江戸時代からある歴史ある阿波踊りがあります。これに刺激を受け高知でも対抗した何かをと、作詞作曲を愛媛県出身で、後年高知に永住した作曲家の武政英策(たけまさ えいさく)氏に楽曲してできたのが「よさこい鳴子踊り」です。

 

よさこい祭りは、基本ルールを守っていれば、色々なアレンジをして良いことになっています。これは、自由をこよなく愛する高知県民の気質を知り尽くした武政氏自らのお考えでもあったようです。曲も衣装も、伝統的なものから、今ふうのものまで非常にバラエティーに富んでいます。

高知市のよさこい祭りの基本ルールとは、
・参加人数は1チーム150人以下
・振り付けは、鳴子を持って前進すること
・曲のアレンジは自由に出来るが、曲のどこかで「よさこい鳴子踊り」を必ず使う
・地方車(じかたしゃ)は1チーム1台
というルールです。

 

第1回目は、21団体、約750名で始まったよさこい祭りも、第30回目には踊り子が1万人を超え、新しいものを取り入れる各チームの個性化がどんどん進んでいきました。伝統的な曲から、バリバリのロックのバンドの演奏が増え、髪型や衣装もあでやかで様々です。踊りの振り付けも、ロック、サンバ、モダン、ポップとチームごとに違い工夫を凝らしており、見る人を飽きさせません。

県内では昔から学校の運動会や地域のいろんなイベントでもよく踊られます。もちろん、昔は正調踊りだけでしたが、私もよく踊ってました。「チャンチャン、よっちゃらよー、よっちゃらよー♪」と曲が始まったら、自然に手が動きます。高知県民で踊ったことが無いという人の方が少ないかもしれません。ただ、今のパワフルで激しいよさこいdanceは、まったく踊れません(笑)でも、見てるだけでワクワクします。

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よさこい祭りの日程

26992826084_4ce4d07661_bよさこい祭りの日程は、毎年8月9日(前夜祭)10日、11日(本番2日)、12日(後夜祭・全国大会)の4日間と、日が決まっています。これは、実はこの期間の降水確率が一番低いからという理由です。本番では、午前11時から夜21時くらいまで踊るため、時どき通り雨や夕立もあります。雨に濡れながらもシャワーを浴びるみたいに、気持ちよく踊る踊り子の姿を見ることがあります。
 
2年前に第61回よさこい祭りの時は、前日高知を直撃した台風12号によって、競演場の一つ、の万々(まま)商店街が浸水し、高知市内のあちこちの道路が冠水しました。厳しい状況の中で、前夜祭は即中止となったものの、翌日、よさこい本祭(本番)1日目から開催が決断されました。あれほどの台風のあとに、私も「いや、本当にすごいわ!」と感服しました。もちろん、被害は深刻でしたが、高知を盛り上げるという気持ちと、ずっと準備練習をしてきた多くのチームのことを考えての決断だったと思います。

 

かくいう地元の四万十町も、12号の直後に大雨をもたらした台風11号の被害で、四万十町全域に浸水被害が出て、長期間の断水が窪川地域で始まり、流されてきたガレキの撤去、深刻な農業被害など大変な状況でした。地元のよさこいチーム『四万夢多(しまむた)』も、「町がこんな状でよさこい祭りなんて、、、」と参加が困難だとなっていましたが、地域からの「よさこいに行ってきいや、がんばってきいや」の声に背中を押されて、よさこい祭り本番の2日目から出場し、その年の「審査員特別賞」を受賞しました。こういうよさこいLOVE、地元LOVEののチームと、応援する人・地域があちこちにたっくさんあり、その精神に賛同する人がいるからこそ、よさこい祭りは多くの人を魅了するのだと思います
 
それと、老若男女、老いも若きもウェルカムのよさこいですから、2世代、3世代で参加する人も出てきました。高知市内のいとこは、小学生の時からずーっと踊り子で参加していて、本部競演場の花メダルをずいぶん頂いて来ました。50代の今も、子どもと参加したり、踊れない年はボランティアスタッフで、給水所にいたりしてます。うちの妹も、よさこいが好きで、ここ数年毎年踊ってますが、このあいだ孫ができたので、そのうち孫と一緒に踊るんじゃないかと予想してます。
 
チームによって、参加年齢が決まってますが、一けたの年齢の子どもから80代の人も、参加できるのも魅力でしょう。練習も含めけっこう体力要るので、健康になることは請け合いです。

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よさこいで使う鳴子(なるこ)とは?

IMG_4469よさこいでは、鳴子(なるこ)という木製の小さな道具を両手で持って踊ります。この鳴子は、もともとは、田や畑の穀物を食べにくる鳥を脅かす為の道具からきているようです。昔ながらの鳴子は、朱色に縫った板に黒と黄色のカチャカチャする部分を表裏両方に、針金でしっかりとめてます。
 
最近はカラーも豊富で、チームごとにオリジナル鳴子を作っているところが多いです。高知のお土産屋さんに必ず売ってるし、ちっちゃなキーホルダー型も売ってます。

 

鳴子(なるこ)は、手首のスナップきかせてカチャカチャ鳴らします。ただ、カチャカチャ言わすだけではうるさいだけなので、鳴らさない持ち方とかは学校でも習います。ちゃんと曲に合わせて、全員できちっとタイミングを合わせて、よさこいの踊りにメリハリやアクセントを添えます。

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地方車(じかたしゃ)とは?

踊り子の前には、音響機器を載せた地方車(じかたしゃ)がゆっくりと走り、生演奏をしたり踊り子に掛け声をかけるマイクパフォーマンスをしながら、その場の雰囲気を盛り上げます。大音響なので、すごいうるさいです!ですが音を大きくしないと後ろの踊り子に聞こえません。ただし、夜は各演舞場での決まった時間(21時頃になると)音を出すことは禁止され、ピタッと祭りは終わります。

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「よさこい」や「よっちょれ」の意味は?

よさこい節の中に、合いの手のような「♪よさこい、よさこい♪」という掛け声があります。これはもとは「夜さ来い」という意味のようですが、高知のよさこいは夜中に踊ったり、一晩中踊ったりはしません。音がうるさいし、周りに迷惑をかけてはよさこいスピリットに反します。それに、夜はみんなすでに、へべれけに呑んでます。(笑)

「よっちょれ」「よっちょれよー」は、もとは「寄っちょって」⇒「ちょっと、そこ(通るので)寄って下さいや」という意味のようですけど、曲の中で、元気づけをする合いの手、掛け声です。

63年続いている高知のよさこい祭りは、地域おこしを淵源とし、土佐弁で言うと、いわゆる「はちきん(男まさりの元気な女性)」と、「いごっそう(快男児)」が全国から集まるエネルギーみなぎる夏の祭典なのだと思います。

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