干し芋の作り方を紹介します。
高知では、干し芋のことを 「東山(ひがしやま)」 や 「切子(きりこ)」 と呼ぶことがあります。
私も小さいころ、祖母からは「切子」と教わりました。
畑にさつまいもができて、秋が深まり、北風が吹きはじめると、干し芋を作る季節です。
作り方はとてもシンプルです。
さつまいもを洗って、じっくり蒸して、切って、天日に干すだけ。
でも、おいしく作るには少しコツがあります。
近所の郷土料理の達人、おばちゃん達に教えてもらったコツは、この2つです。
1. さつまいもを時間をかけて、じっくり蒸すこと
2. 寒くて乾燥した晴れの日が続く時に、天日で干すこと
この2つを守るだけで、甘みが出て、ねっとりおいしい干し芋に近づきます。
この記事では、昔ながらの天日干しで作る干し芋の作り方、失敗しにくいコツ、保存方法、高知の東山・切子の話を紹介します。
※天日干しは気温や湿度によって仕上がりが変わります。雨や暖かい日が続く時はカビが出やすいので、天気を見ながら無理のない範囲で作ってください。
この記事でわかること
・干し芋の基本の作り方
・おいしく作る2つのコツ
・干し芋に向くさつまいもの種類
・天日干しで失敗しにくいポイント
・高知でいう東山・切子とは何か
・干し芋の保存方法
・きりこ餅への使い方
・オーブンで作る方法
もくじ
干し芋の作り方はシンプル

干し芋の基本の作り方は、とてもシンプルです。
- さつまいもを洗う
- 蒸す
- 皮をむく
- 切る
- 天日に干す
お家によって作り方は少し違います。
蒸す前に皮をむく人もいれば、蒸してから皮をむく人もいます。
輪切りにする人もいれば、縦長に切る人もいます。
小さな芋なら、丸干しにすることもあります。
見た目をきれいに作ろうとすると少し手間がかかりますが、家庭で食べるなら、あまり難しく考えなくても大丈夫です。
お好みの固さまで干せば、自分の家の干し芋ができます。
高知では干し芋を東山・切子と呼ぶ

干し芋は、地域によっていろいろな呼び方があります。
高知では、干し芋を 東山(ひがしやま) や 切子(きりこ) と呼ぶことがあります。
私の祖母は、干し芋のことを「切子」と呼んでいました。
「切子」という呼び方は、蒸した芋を糸で切ることから来ているのではないかと思います。
一方、「東山」という呼び方もあります。
東山は、干したさつまいもの菓子という意味で使われてきた言葉です。
干して甘みが増したさつまいもは、昔から冬のおやつであり、保存食でもありました。
素朴ですが、ストーブで少しあぶると甘みと香ばしさが増して、本当においしいです。
干し芋に向くさつまいもの種類
干し芋は、スーパーで売っているさつまいもでも作れます。
ただし、芋の種類によって仕上がりは変わります。
ねっとり甘い干し芋にしたいなら、甘みが強く、しっとりしたさつまいもが向いています。
たとえば、安納芋や紅はるか系のさつまいもは、家庭でも作りやすいです。
高知の地元では、かき芋 と呼ばれる、中がオレンジ色の大きな芋を干し芋に使うことがあります。
かき芋は、干すと甘みが増して、ねっとりとした蜜が出てくるような芋です。
ただし、かき芋は灰汁が強いことがあるため、扱い方に少しコツがあります。
かき芋を使う場合の方法は、あとで紹介します。
干し芋をおいしく作るコツは2つ
干し芋をおいしく作るコツは、難しいことではありません。
大事なのは、次の2つです。
1. じっくり蒸す
干し芋は、さつまいもをしっかり蒸すことが大切です。
中まで十分に火が通っていないと、甘みが出にくくなります。
竹串を刺して、芯までやわらかくなっているか確認してください。
割った時に中心が白っぽい場合は、まだ蒸し足りません。
中まで黄色く、しっとりやわらかくなっていればOKです。
祖母は昔、大きなお釜で薪を焚いて、じっくり芋を蒸していました。
家庭では蒸し器で大丈夫ですが、あわてず、ゆっくり火を通すのがコツです。
2. 寒くて乾燥した晴れの日に干す

もうひとつ大事なのが、干すタイミングです。
干し芋は天日干しするので、天気がとても大切です。
おすすめは、寒くて乾燥した晴れの日が続く時。
雨にあたったり、暖かく湿度の高い日が続いたりすると、カビが出やすくなります。
週間天気予報を見て、晴れが続きそうな時に作りはじめると安心です。
干し芋作りは、天気との相談です。
干し芋の作り方
ここから、天日干しで作る干し芋の手順を紹介します。
1. さつまいもを洗う
まず、さつまいもをきれいに洗います。
畑の土がついている場合は、たわしなどでこすって落とします。
芋の両端は繊維が強いので、切り落としておくと食べやすくなります。
普通のさつまいもなら、皮付きのまま蒸して大丈夫です。
かき芋を使う場合は、先に皮を厚めにむき、水にさらして灰汁を抜くことがあります。
2. じっくり蒸す
洗ったさつまいもを、丸ごと蒸します。
大きい芋は、半分に切っても大丈夫です。
蒸し時間は芋の大きさによって変わります。
目安としては、30分から1時間ほど。
大きな芋なら、それ以上かかることもあります。
蒸したあと、20分ほど蒸らすと、さらにしっとりします。
竹串を刺して、すっと通ればOKです。
中までやわらかく、黄色くなっているか確認してください。
茹でても作れないことはありませんが、水っぽくなりやすいです。
干し芋にするなら、蒸す方がおすすめです。
3. 熱いうちに皮をむく
蒸し上がったら、熱いうちに皮をむきます。
冷めると皮がむきにくくなるためです。
ただし、蒸したてはとても熱いので、やけどには注意してください。
手で触れない時は、竹串を皮のすぐ下に入れると、皮がむきやすくなります。
輪切りで作る場合は、あえて皮を少し残す人もいます。
縦長にスライスする場合や、きれいに仕上げたい場合は、皮をむく方が食べやすいです。
4. 少し冷ましてから切る
皮をむいたら、すぐに切りたくなりますが、少し待ちます。
蒸し上がった直後の芋は水分が多く、崩れやすいからです。
少し冷まして、表面が落ち着いてから切ると、形が崩れにくくなります。
切り方はお好みです。
1cmから1.5cmくらいの厚さに切ると、家庭でも干しやすいです。
包丁で切ってもよいですし、少し太めの糸で切る方法もあります。
小さな芋なら、そのまま丸干しにしてもおいしいです。
5. 天日で干す
切ったさつまいもを、ざるや干しネットに並べます。
万能干しネットがあると、虫やほこりを防げるので便利です。
少量なら、ざるでも作れます。
やわらかい干し芋は、ざるや干しかごの跡がつきやすいです。
気になる場合は、クッキングシートを敷くときれいに仕上がります。
日中は外に出して、しっかり日に当てます。
夕方になって日が陰ったら、室内に取り込みます。
夜は湿度が上がるため、そのまま外に出しておくのは避けた方が安心です。
翌朝、また外に出して干します。
薄切りなら、2〜3日ほどで食べられるようになります。
しっかり干したい場合は、1週間から10日ほど干すお家もあります。
途中で裏返しながら、お好みの固さまで干してください。
味見が多いと、完成する前になくなってしまうので注意です。
かき芋を使う場合の作り方
高知の地元で使われることがある「かき芋」は、普通のさつまいもと少し扱い方が違います。
灰汁が強いことがあるため、色よく仕上げるために、先に皮をむいて水にさらします。
かき芋を使う場合の流れは、次の通りです。
- 芋を洗う
- 両端を切る
- 皮を厚めにむく
- 丸ごと水にさらす
- 水を2〜3回替える
- 蒸す
- 切る
- 干す
皮を厚めにむき、水にさらすことで、灰汁が抜けて色もきれいに仕上がります。
かき芋は、うまく干せると甘みが増して、ねっとりした干し芋になります。
干し芋作りにあると便利な道具
干し芋は特別な道具がなくても作れます。
ただ、あると便利なのは、次のようなものです。
・蒸し器
・竹串
・包丁または糸
・ざる
・干しネット
・クッキングシート
・保存用のラップや保存袋
特に干しネットは、虫やほこりを防ぎやすいので便利です。
魚や野菜を干す万能干しネットでも使えます。
少量なら、ざるに並べて作っても大丈夫です。
雨が続く時や外に干せない時は?
干し芋は、寒くて乾燥した晴れの日に作るのが基本です。
でも、天気が悪い日が続いたり、外に干せなかったりすることもあります。
その場合は、オーブンを使って時短で作る方法もあります。
天日干しとオーブンを併用しても大丈夫です。
外に干せない時は、無理に天日干しにこだわらず、オーブン版で作るのもおすすめです。
干し芋の保存方法
できあがった干し芋は、ラップや保存袋で小分けして保存します。
すぐ食べる分は冷蔵庫へ。
長く保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。
食べる時は、オーブンやトースター、フライパンで軽く焼くと、香ばしくなります。
冷えて固くなった干し芋も、少し温めるとやわらかくなり、甘みも感じやすくなります。
手作りの干し芋は、市販品より水分が残っていることがあります。
カビを防ぐためにも、常温で長く置きっぱなしにしない方が安心です。
干し芋の食べ方アレンジ
干し芋は、そのまま食べてもおいしいです。
でも、少しアレンジすると、おやつにもおかずにも使えます。
たとえば、
・トースターで焼く
・バターで焼く
・天ぷらにする
・ヨーグルトに入れる
・細かく切ってお菓子作りに使う
など、いろいろ楽しめます。
干し芋を使った食べ方やアレンジはこちらで紹介しています。
▶ 干し芋の食べ方アレンジ|おやつ・おかずに使える簡単レシピ
干し芋を使ったきりこ餅

干し芋を細く切って、さらに固くなるまで干すと、長く保存できます。
これを、きりこ餅を作る時に使うことがあります。
餅を作る時に干し芋を一緒に練りこむと、甘くておいしい きりこ餅 になります。
高知では、冬になると道の駅やふるさと市、JA直販所などで、干し芋やきりこ餅を見かけることがあります。
11月を過ぎた冬の時期なら、県内の産直市などをのぞいてみるのもおすすめです。
きりこ餅も、小分けして冷凍しておくと長く楽しめます。
作るのが大変な時は市販の干し芋も便利
干し芋は、作り方はシンプルですが、天気を見たり、蒸したり、干したりする手間はかかります。
「作ってみたいけど、今は時間がない」
「外に干す場所がない」
という場合は、市販の干し芋を利用するのもよいと思います。
高知県産の干し芋や、無添加の干し芋なども通販で購入できます。
まずは市販品で味を知ってから、自分で作ってみるのも楽しいです。
まとめ|干し芋は冬に作りたい素朴な保存食
干し芋は、さつまいもを蒸して、切って、干すだけの素朴な保存食です。
おいしく作るコツは、
じっくり蒸すこと。
寒くて乾燥した晴れの日に干すこと。
この2つです。
高知では、干し芋を東山や切子と呼ぶことがあります。
小さいころから慣れ親しんだ冬のおやつであり、保存食でもあります。
できたてはやわらかく、少し干すと甘みが増し、ストーブやトースターであぶると香ばしくなります。
見た目を気にしなければ、家庭でも十分おいしい干し芋が作れます。
天気の良い寒い日に、ぜひ自分好みの干し芋を作ってみてください。
干し芋関連記事
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▶ 干し芋の食べ方アレンジ|おやつ・おかずに使える簡単レシピ
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