朝ドラ『らんまん』の越知町横倉山に行ってみた!大自然と歴史に触れる大満足のトレッキングツアーの紹介

本ページは広告プロモーションが含まれています
本ページは広告プロモーションが含まれています
朝ドラ『らんまん』ロケ地・越知町横倉山 観光
朝ドラ『らんまん』ロケ地・越知町横倉山

高知県越知町おちちょうにある横倉山よこぐらやまは、牧野富太郎博士ゆかりの地であり、朝ドラ『らんまん』のロケ地です。

『らんまん』第1章「バイカオウレン」の章で、主人公の万太郎は病床に伏せる母のために白い花を求めて山へ迷い込みます。

ロケ地となったのが、横倉山です。

心配した姉の綾と竹雄が助けにきたシーンが印象的でした。

そして第3章「ジョウロウホトトギス」の章では、大人になった万太郎が登場します。

横倉山の険しい崖で、希少な植物であるジョウロウホトトギスを発見し採取します。

私もどうしても行ってみたい場所が横倉山でした。

しかし山深い横倉山を一人で登るのは不安です。

そこで横倉山で行われるトレッキングツアーに参加してきました。

日時は2022年10月15日(土)午後1時から4時のたっぷり3時間、地元ガイドさんによる案内付きです。

「横倉山ってどんな山?」「初心者でも登れるの?」「どんな植物が見られるの?」と思っている方に、私が参加したツアーの概要や服装や持ち物、気づいたことや注意点もふくめ紹介します。

横倉山は、登山初級者~中級者コースです。
急斜面もありますので、万全の体調で行きましょう!

スポンサーリンク

横倉山とは

参照:仁淀ブルー スタッフブログ

横倉山は佐川町の隣り、越知町(おちちょう)にあります。

標高は800mほどの低い山なのですが、ひときわ目立つ形をしています。

「おち」という地名も変わってますよね。

越知町は平家の落人おちうど伝説の残る町です。

特異な岩質

横倉山の大きな特徴として、日本で最も古い地層といわれる古生代シルル紀の地層を有していることが挙げられます。

もともと赤道近くにあったサンゴ礁と大陸の一部が、長い年月をかけて日本へ移動し、隆起侵食を受けながら、現在の横倉山の姿になったとされています。

約4億年前の「コノドント」と呼ばれる日本最古の化石や、クサリサンゴや三葉虫などの化石が横倉山で発見されているのですから驚きです。

石灰岩質や蛇紋じゃもん岩質の非常に特異な地質が横倉山の特徴です。

コノドントとは?
コノドント動物の一部だと言われる化石のこと。6億年前から1億8千万年前(カンブリア紀初めから三畳紀の終わり頃)の岩石に含まれている。クシの歯やヤギの角に似た形び似ているので、歯を意味する「コノドント」という名前となった。コノドント動物は、約6億年前から1億8千万年前の海にいた、10cmくらいの生き物。

横倉山の蛇紋岩質
横倉山を流れる小さな沢は、蛇紋(じゃもん)岩質で青白く見えます。

平家の落人伝説

横倉山は峻厳な山の姿をしていることから、信仰の対象として崇められました。

土佐の国唯一の修験道の霊場として栄えてきました。

昔からとても神聖な山なのです。

そして驚くべきことに、下関の壇ノ浦の戦いで入水したとされる安徳天皇が住んでいたという伝説が残っています。

安徳天皇は弱冠3歳で即位しましたが、歴史的には源平の合戦で負けた平家の滅亡とともに生涯を終えたことになっています。

しかし越知に語り継がれる伝承によると、屋島の檀ノ浦の戦いで難を逃れた安徳天皇は、家来とともに横倉山に落ちのびて生活され、その後23歳まで生きられこの地で亡くなられたというのです。

横倉山には安徳天皇が蹴鞠けまりをして遊ばれたという場所があり、天皇はその場所に葬られているとの言い伝えが残っています。

現在その場所は「安徳天皇陵墓参考地」として国の指定を受ける、高知県内では唯一の宮内庁所轄地に指定されています。

宮内庁所轄地の「安徳天皇陵墓参考地」
横倉山・宮内庁所轄地の「安徳天皇陵墓参考地」

牧野博士とのつながり

越知町は牧野博士が生まれ育った佐川町の隣り町です。

じつは牧野博士の乳母であったお芳さんは越知の出身です。

幼いころから乳母の背中におぶさり、富太郎少年は何度も越知町を訪れていました。

幼い富太郎が「あの山に登りたい」というほど興味を持ち、慣れ親しんでいた山でした。

特異な岩質をもつ横倉山には、樹齢数百年といわれるアカガシの原生林や、世界的にも貴重なわずか5㎝ほどの植物「コオロギラン」など、牧野富太郎博士が愛してやまない植物が多く植生しています。

博士が発見・命名された新種の「ヨコグラツクバネ」、「ヨコグラノキ」、「トサジョウロウホトトギス」など、現在もそれら植物を横倉山で見ることができます。

植物のことも、横倉山を熟知するガイドさんが教えてくれるので、初学者の私でも大丈夫でした。

スポンサーリンク

ツアーの概要

私が参加したのは、牧野富太郎博士の生誕160年を記念したイベント「Tommit(トミット)」で同時開催されたトレッキングツアーでした。

※トレッキングツアーは、イベントの時だけでなく、ふだんでも予約すれば参加することができます。

横倉山の登山道は整備されているとはいえ、登山初心者で50代の私には日ごろの運動不足もあって、やはりハードですっごい疲れました。

しかしガイドさんがいることで、初心者の私でも安心して参加することができました。

日ごろから足腰を鍛えていれば60代、70代の方でも、じゅうぶん登れるコースだと思います。

横倉山の登山道
横倉山の登山道の様子

通常の横倉山トレッキングツアーは、現地の横倉山・第3駐車場に集合して始まることが多いようです。

今回は午前中のイベント「Tommit」に参加したあと、事前に申し込みをしていた40人ほどのツアーでした。イベント終了後すぐに佐川町の会場からバスに分乗し、越知町の横倉山第3駐車場へと移動しました。

この日は越知町・宮の前公園でコスモス祭りが開催されていたため道路が渋滞しており、佐川町からは裏道を通って1時間ほどかかりました。

普段なら佐川町から横倉山第3駐車場まで車で40分ほどです。

ちなみに越知町の宮の前公園のコスモスは、家族連れにとても人気があります。

秋のコスモスの時期、とりわけ土日祝日は道路が非常に混み合うので要注意です。

越知町宮の前公園のコスモス
越知町・宮の前公園のコスモス

もう一つ注意する点として、『横倉山自然の森博物館』を過ぎて第3駐車場まで登って行く道路は、びっくりするくらい狭くて勾配のある坂道だということです。

ところどころガードレールがなく、田舎道に慣れている私ですら、自家用車で来るのは躊躇するような道路でした。^^;

「これ落ちたらどうなるんやろ…。前から車きたらどうやってよけるん?」と。

いや、ホントあの道をバスで上がっていく運転手さんたちを私は尊敬します。

自家用車で行かれる方は十分注意してください。

横倉山自然の森博物館』から横倉山第3駐車場までは、車でゆっくりと上がって20分くらいかかります。

越知町立「横倉山自然の森博物館」は、地球のおいたちや牧野博士が愛した珍しい植物、越知の歴史を学ぶことができる施設です。

内容

今回参加したツアーの内容と行程です。

名称牧野博士が魅せられた横倉山ツアー(横倉山トレッキング)
日時2022年10月15日(土)11:45~16:30
募集人数40名
費用3,000円(お弁当付き)(※費用は変わる可能性あり)
場所越知町横倉山
ガイド各グループに1名のガイド(グループは7~8名ほど)
食事昼食(お弁当付)(※ツアーによって変わる)
企画・実施越知町役場
横倉山トレッキングツアーの詳細越知町観光協会
2022年「牧野博士が魅せられた横倉山ツアー」の概要

行程

横倉山のトレッキングコースで周ったのは以下の場所です。

途中で休憩をはさみながらゆっくり登る3時間のコースです。

グループによって周る場所が多少入れ替わりました。

横倉山第3駐車場から3時間コース
  • 12:30
    横倉山第3駐車場に到着

    お弁当を食べトイレを済ませる。

  • 13:00
    各グループに分かれ登山開始

    ※混み合いを避けるために、各グループによって若干ルートが違う

  • 杉原神社
  • 安徳水
  • 行在所跡
  • 横倉宮
    ヨコグラノキ基準木
    馬鹿だめし
  • 安徳天皇陵墓参考地
  • 畝傍山(うねびやま)眺望所

    下山開始

  • 16:00
    第3駐車場へ戻る
スポンサーリンク

当日の様子

当日のおもな様子を紹介します。

バスが上がって行った第3駐車場は、約70台の車が停めることができる広い駐車場でした。

この日は10月中旬、ヒヨドリバナの蜜を吸うアサギマダラの姿がありました。

アサギマダラ
10月中旬、横倉山第3駐車場にアサギマダラの姿がありました。

駐車場にはお弁当を食べることのできる木製のベンチが数台ありました。

水洗ではありませんが、公衆トイレもあります。

山の上にある駐車場ですが、日ごろから整備されていることが分かります。

登山道入り口

駐車場端にある鳥居が登山道の入り口です。

各グループ7名ほどにガイドさんが1名ついて登山を始めました。

入り口近くにある木製の杖を借りることができます。

★登山道入り口の写真

杉原神社

私たちのグループがまず向かったのが杉原神社です。

第3駐車場の入り口から登ること10分ほどの場所です。

境内には樹齢500年~600年の大きな杉がありました。

普通の杉は木はとがっているものですが、ここの杉は先が丸くなっています。

樹齢が長くなると、杉は丸杉になるそうです。

★杉原神社の大杉

★杉原神社外観

横倉宮

杉原神社から約700m、20分~30分ほど登っていくと横倉宮があります。

距離は短いですが、横倉宮までの道は急な傾斜でけっこうしんどかったです。

横倉宮鳥居
横倉宮鳥居

★横倉宮

ヨコグラノキ基準木

横倉宮のすぐ奥にヨコグラノキ基準木があります。

大きくて古い木です。

樹齢はなんと170年以上です!

割れた木の中にサルノコシカケが生えていました。

ヨコグラノキ看板
ヨコグラノキ看板

★ヨコグラノキ基準木

ヨコグラノキ基準木
ヨコグラノキ基準木
ヨコグラノキ基準木の中に生えるサルノコシカケ
ヨコグラノキ基準木の中に生えるサルノコシカケ

馬鹿だめし

横倉宮の左手奥には、馬鹿だめしと呼ばれる断崖絶壁があります。

私も近くまで行きましたが、とても端まで行けるところではありません。^^;

向かい側にある畝傍山(うねびやま)眺望所から見ると、その絶壁ぶりがよく分かります!

畝傍山眺望所

横倉宮から10分ほど歩くと、畝傍山(うねびやま)眺望所という見晴らしのよい場所に着きます。

ここからの眺めは最高でした!

畝傍山眺望所
畝傍山眺望所

★畝傍山(うねびやま)眺望所

ここでの休憩時間にガイドさんが、いつも使っているという樹木図鑑を紹介してくれました。

葉っぱの特徴から何の木なのかを知ることができる図鑑です。

すぐ近くに生えている木は、その葉の特徴から「ハイノキ」であることが判明しました。

ガイドさんが使っている「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)

上の図鑑は現在は販売されていないようですが、ほかにも「樹皮・葉でわかる樹木図鑑」があるようです。

樹木の名前が分かると嬉しくなりますね。^^

安徳天皇陵参考地

畝傍山(うねびやま)眺望所から320m、約8分ほどの場所に安徳天皇陵墓参考地があります。

陵墓は宮内庁所轄地ですので石柱で囲いをされ厳重に守られています。

中に入ることはもちろん、陵墓の上空をドローンで撮影することも禁じられています。

石の囲いの外側を、グルーっと歩いて周ることができます。

宮内庁所轄地の「安徳天皇陵墓参考地」
横倉山・宮内庁所轄地の「安徳天皇陵墓参考地」

安徳天皇陵墓参考地へと続く石畳みは、下から見るとカーブしていることが分かります。

ガイドさんが、天皇のような位の高いかたをまっすぐ見ることはできないことから、石畳みもこのように曲がっているのだと教えてくれました。

★安徳天皇陵墓参考地

横倉山で見られる植物

植物の名前はその場で聞いたものを慌ててメモしたので、ひょっとしたら間違えてるかもしれません^^;

★横倉山で見られる植物

シュズラン
シュズラン
コミヤマスミレ
コミヤマスミレ
トチバニンジン
トチバニンジン
イタモリソウ
イタモリソウ
ハエドクソウ
ハエドクソウ

このほか、7月頃には夜に光る「シイノトモシダケ」を、9月中旬の時期になると「コオロギラン」や「ジョウロウホトトギス」といった希少植物を見ることができます。

朝ドラ『らんまん』の脚本を書かれている長田育恵さんも取材で訪れたそうです。

スポンサーリンク

注意点

横倉山には貴重な植物が多く植生しています。

貴重植物は園芸品種と違い、その環境だからこそ植生することができます。

植物や石など自分勝手に持ち帰ることはやめましょう。

ゴミも持ち帰るようにしましょう。

服装や靴

服装や靴、リュックは丈夫で動きやすい物を選びましょう。

服装について

  • 足元は運動靴または登山靴
  • 長袖、長ズボン
  • 防寒用のジャンバー
  • 帽子、手袋の着用

うす暗い山の中では、明るい色のジャンバーをおすすめします。

足元は履きなれた運動靴でも十分OKですが、急傾斜ですのでトレッキングシューズだと安定性があってよいと思います。

持ち物

リュックについて

荷物は両手をふさがないよう、リュックタイプに入れるとよいです。

登山用ストックについて

登山道入り口に善意の杖が用意されていますが、自前でストックを用意している方もいました。

ガイドさんが持っていた折りたたみ式は軽くてリュックにも入る便利なストックでした。

その他携行した方がよいもの

水分は必携です。

飴などのお菓子があると、休憩時に一息つけますね。

折り畳みの傘を持参している方もいました。

私はスマホで撮影することが多いのですが、肩掛けができるスマホショルダーがあるとスマホを落とす心配がなく便利だと思います。

スポンサーリンク

トレッキングツアーガイド

横倉山はガイドさんとゆっくり歩くのが一番いいと思います。

越知町観光協会のガイドの方なら、安全に楽しく横倉山を満喫することができます。

初めていくかたにはおすすめです。

仁淀川流域の観光協議会が行っている「仁淀ブルー体験博」のフィールドツアーもあります。

こちらは日時や定員が決まっており、人気のコースはすぐ満席になるため、早めの予約がおすすめです。

なお、冬季のトレッキングツアーや観察会はありません。

仁淀川流域の体験ツアーHP仁淀ブルー体験博
地元・越知町観光協会のトレッキングツアー越知町観光協会
地元のガイドグループを紹介しているHP越知町公式HP
スポンサーリンク

越知町横倉山への行き方

車でのアクセス

越知町横倉山に行くには、自家用車またはレンタカーが便利です。

高知市から国道33号を越知町方面へ。
「横倉山自然博物館」まで
約1時間
高知龍馬空港から東部自動車道から高知自動車道へ入り、伊野ICで高速を降りて
国道33号を越知町方面へ。
「横倉山自然博物館」まで
約1時間30分

公共交通でのアクセス

公共交通を利用しても行けますが、かなり時間がかかります。

高知駅からJRで佐川駅まで行き、それからバスに乗り換え、登山道入り口まで徒歩です。

1、鉄道JR高知駅ーJR佐川駅特急で約30分/普通で約50分
2、路線バス佐川ー越知・バス停「宮ノ前」下車黒岩観光バス・約15分
3、徒歩バス停から「横倉山自然博物館」まで徒歩5分ですが、第3駐車場までは約5kmはあると思われます

参考:黒岩観光バスHP

【期間限定】佐川町と越知町を結ぶ「さかわ おち 花花ループバス」

※【期間限定】令和5年2月~5月の土・日・祝とGW期間
無料シャトルバス(佐川町~越知町)の運行【予約不要】が始りました!

このバスで横倉山自然の森博物館まで行けます。^^

公式HP:さかわ・おち 花花ループバス

期 間令和5年2月~5月の土・日・祝とGW期間
間 隔30分間隔(出発時間9:00~16:30)
ルート桜座(佐川町)~宮の前公園(越知町)
停車場所
(6カ所)
・桜座駐車場
・佐川駅
・佐川観光駐車場
・越知
横倉山自然の森博物館
・宮の前公園駐車場
さかわ おち 花花ループバス

【期間限定】JR四国「らんまん」ラッピング列車

JR四国では期間限定で「らんまん」ラッピング列車が走ります。

高知駅から佐川駅まで、この列車で行けますよ!

公式HP:JR四国「らんまん」ラッピング列車

スポンサーリンク

おすすめの温泉宿

横倉山を歩いたあとは、温泉で疲れを取るのもおすすめです。

千年の美湯 そうだ山温泉 和 YAWARAGI(須崎市)

越知町から車で30分、須崎市桑田山(そうだやま)にある「そうだ山温泉 和 YAWARAGI」は地元でも人気の温泉宿です。

千年の美湯 そうだ山温泉 和 YAWARAGI

 中津渓谷ゆの森(仁淀川町)

越知町から車で25分、牧野富太郎博士ゆかりの希少植物の宝庫ともいえる仁淀川町にも、大きな温泉宿「中津渓谷ゆの森」があります。

仁淀川ブルーの美しい渓谷が見られ、観光の方に人気の宿です。

中津渓谷 ゆの森 (仁淀川町)
スポンサーリンク

まとめ

以上、牧野博士ゆかりの越知町・横倉山で体験した、たっぷり3時間の大自然と歴史に触れる大満足のトレッキングツアーの紹介でした。

横倉山の歴史はもちろん、牧野博士が魅了された多くの植物を知ることができた、充実のトレッキングツアーです。

自然の好きな方や牧野博士ゆかりの植物を見たい方にぜひおすすめします。

タイトルとURLをコピーしました