朝ドラ『らんまん』第3週で主人公の万太郎は、横倉山の崖地で見たことのない釣り鐘型の美しい花を採取します。
のちに牧野富太郎博士が「ジョウロウホトトギス」と名付ける希少な植物です。
厳しい生育環境の中、ひときわ美しい花を咲かせるジョウロウホトトギスの特徴や開花時期、花言葉など紹介しますね。
ジョウロウホトトギスは高知県の固有種です
ジョウロウホトトギスの特徴
学名 | Tricyrtis macrantha |
和名 | ジョウロウホトトギス(上臈杜鵑草)・別名 トサジョウロウホトトギス |
分類 | ユリ目ユリ科ホトトギス属 |
分布地 | 四国、九州 |
開花時期 | 9~10月 |
花言葉 | あなたの声が聞きたくて |
ジョウロウホトトギスは、ユリ科ホトトギス属の耐寒性多年草です。
高知県の固有種であり、絶滅危惧II類に指定されています。
渓谷の湿った岩場や崖地に垂れ下がるように植生し、黄色い花を下向きにつけます。
朝ドラ『らんまん』では、主人公の万太郎が「横倉山」の崖地で見つけて大事そうに採取していましたね。
史実では、牧野博士が25歳の時に高知県高岡郡越知町の横倉山で発見しました。
日本には10種ほどのホトトギスの仲間(Tricyrtis)が自生しています。
ジョウロウホトトギスは、釣り鐘形・明るい黄色の長さ5cmほどの花を、葉のわきに咲かせます。
内側に赤紫色の斑点が多くあり、ロウを塗ったような光沢があります。
葉は幅広くて光沢は少なく、毛が生えていています。
茎は長さ40~100cmほどです。
和名の由来
花が上品で美しかったことから上臈(じょうろう=宮中の貴婦人)に例えて、牧野富太郎博士がこの和名をつけました
とても上品な名前ですね。
開花の時期と見頃
四国での開花の時期は6月末~7月です。
花言葉
花言葉は、「あなたの声が聞きたくて」
ロマンティックです。
見られる場所
自生するジョウロウホトトギスは崖地の厳しい場所に植生します。
牧野富太郎博士が発見した越知町横倉山には、今も自生するジョウロウホトトギスを見ることができます。
しかし一般の私たちが奥深い山に登るのは大変ですよね。
牧野富太郎博士の生まれた町、高知県佐川町の牧野公園にはジョウロウホトトギスを植えています。
ここなら間近で見ることができますよ。
佐川町牧野公園のパンフレット『花めぐり』の表紙を飾っています。
まとめ
以上、朝ドラ『らんまん』に登場するジョウロウホトトギスについて紹介しました。
第3週の「ジョウロウホトトギス」の章で、主人公・万太郎はあこがれの東京である女性と出会います。
彼女こそ、生涯の伴侶となる寿恵子です。
寿恵子は万太郎にとって、ジョウロウホトトギスのように上品で気高く美しい女性だったにちがいありません。
これから歩む二人の人生から目が離せません。
『らんまん』のモデルとなった牧野富太郎博士ゆかりに地をぜひ訪れてみてくださいね。