朝ドラ『らんまん』14週のタイトルは、ホウライシダ(蓬莱羊歯)です。
形が美しく、現在は観賞用として人気の高い植物です。
「蓬莱」とは、古代中国で仙人が住むといわれた理想の場所、桃源郷をさします。
『竹取物語』に「東の海に蓬萊という山あるなり」と、求婚者の一人の車持皇子が「蓬萊の玉の枝」を採ってくるようにと、かぐや姫から難題が出されたことが有名ですね。
ホウライシダの特徴や花言葉などを調べてみました。
『らんまん』のネタバレも含みます。ご了承ください。
ホウライシダの特徴
学名 | Adiantum capillus-veneris L. |
和名 | ホウライシダ(蓬莱羊歯) |
分類 | ホウライシダ科ホウビシダ属 |
分布地 | 世界中の温帯から熱帯にかけて分布。日本では四国や九州、伊豆半島など |
花言葉 | 「天真爛漫」「無邪気」「無垢」「繊細」 |
ホウライシダは常緑性の多年草です。
花や実は付きません。
根茎は短く這い、黒褐色の茎をもちます。
茎の長さは約15cmほど。
切れ込みのある扇形をした葉が交互に付きます。
レースのように美しい様子から、英語では「Maidenhair fern」(乙女の髪のシダ)と呼ばれます。
学名
学名は、Adiantum capillus-veneris L.
Adiantum(アジアンタム)は、古代ギリシア語で「濡れていない」「乾いている」を意味します。
葉が濡れることなく水を流れ落とす能力に由来します。
「capillus」はラテン語で髪、「veneris」金星のことです。
観賞用に栽培されたものは、属名のAdiantum(アジアンタム)と総称されることが多いようです。
花言葉
ホウライシダの花言葉です。
- 天真爛漫
- 無邪気
- 無垢
- 繊細
いづれも、純真な乙女から想像されるような花言葉ですね。
分布地
ホウライシダは世界中の温帯から熱帯に広く分布します。
日本では四国や九州、伊豆半島などに分布します。
形状が美しく人気があるため、園芸用に室内や温室などで栽培されています。
現在は、栽培されていたものが野生化し、海岸や川岸の崖や石垣などに生えることも多いようです。
牧野博士とホウライシダ
牧野博士は、高知県じゅうを植物採集に歩いています。
記録によると、1892年6月2日~5日安芸市内の穴内、伊尾木洞などで植物採集をしています。
同年12月にも伊尾木洞でホウライシダ、シロヤマゼンマイ、ユキミギク(タイキンギク)などを採集したと記録に残っています。(参照:富太郎の歩いた高知)
『らんまん』のロケ地・天然の海食洞である伊尾木洞は、神木隆之介さんのクランクインした記念すべき場所です。
まとめ
以上、朝ドラ『らんまん』14週に登場するホウライシダについてでした。
「ホウライシダ」の章では、主人公の万太郎と妻となった寿恵子が東京に戻り、十徳長屋で新婚生活を始めます。
なぜ「ホウライシダ」という植物がタイトルに採用されたのか気になりますね。
和名の蓬莱羊歯が意味する「理想郷に生えるシダ」として、寿恵子との新婚生活があらわされているのかもしれません。
それとも、植物学教室の田邊教授にかかわる植物なのかもしれません。
美しい寿恵子とともに、2人で歩む草花の道は、これから険しい山道に差し掛かっていきます。
天真爛漫な笑顔で、乗り越えていく万太郎と寿恵子を見守っていきたいですね。
『らんまん』の後半が楽しみです。